DNAFORM’s diary

企業ブログです

1細胞RNA解析の世界

Quartz-Seq2」、世界最高成績だそう。

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今日はちょっと技術紹介をいたしましょう。下記は本日付で公開された理研プレスリリースです。

 

2020年4月7日

理化学研究所

1細胞RNA解析で世界最高成績

ー国際的な性能比較研究で証明ー

https://www.riken.jp/press/2020/20200407_1/index.html#note3

 

Quartz-Seq2」は理研2018年開発の解析技術で、次世代シーケンサーを使用した遺伝子の発現解析を調べるための実験手法。もとになる「Quartz-Seq」が2013年に公開され、その改良版として登場しました。

 

以下の文を理研からすっかりコピペでご紹介。

今回、1細胞RNA-seq法の中で世界的に主要な13手法の開発者・企業が参加し、その性能を比較する研究が実施されました。その結果、研究チームが開発したQuartz-Seq2が総合的な性能スコアで世界最高成績を収めました。

 

その他の12手法にどんなのがあるのか、その分野で働くわが社としては興味ありありのところ。記事には載せませんが、個人的な知識として、今後追跡してみたいと思っています。

 

下記は関連情報、シングルセル(1細胞)解析のマシーンたち。

Chromium(10x Genomics):国内はジーンウィズ社のみが受託取扱い

・C1(フリューダイム社):本体販売のみ、

・iCell8(タカラバイオ):受託サービスあり

・ ddSEQ(バイオラッド):イルミナ推奨

・ Rhapsody(ベクトン・ディッキンソン)

・Tapestri:フィルジェン社取扱い

・dolomite(ブラックトレースジャパン社 )

 などなどが登場しています。

 

2018.10.22 MON 19:00

「ヒトの細胞37兆個をカタログ化する壮大な計画が、医学にもたらす大きなインパクト」

https://wired.jp/2018/10/22/the-human-cell-atlas/

 

「細胞」という概念は17世紀にロバート・フックにより発見され、顕微鏡下のコルクの薄片を覗きこみ「連結した無数の小さな箱」と表現されました。なんとも風情とロマンが香るこのフレーズですね。

 

遺伝子を解読するシーケンサーの発達により、2000年に国際ゲノムプロジェクトが多くのDNAを読みまくりました。欧米諸国などに混じって日本の理研もせっせと読み貢献した歴史があります。

 

DNAからRNARNAから細胞へと、段々と細かいところへ視点を移しながら発展しています。ノーベル賞の山中先生が携わった iPS細胞は、今ではすっかり市民権を得た言葉になっていますし、これからは「細胞」がアツイ時代がやって来るのかもしれません。人体に推定37兆個と呼ばれる細胞。例えば手の皮膚、手の甲と手のひらを比べると全く質感はことなり、かたや舌の表面の皮膚はトゲトゲざらざらしっとりしていますし。人間だもの、みんな違ってみんないい、細胞だもの、みんな違ってみんないい。なんしか適当発言になってきましたが、その性質は大きく違っているので、とても面白い研究対象だと思います。

 

2016に始まった国際プロジェクト「ヒト細胞アトラス」"the Human Cell Atlas Project"

https://www.broadinstitute.org/research-highlights-human-cell-atlas

科学活動、見守りましょう。

 

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